谷合竜馬の脳内ブレスト会議

世の中をおもしろく、自由に生きることとは?

お客さんは「売られる」ことを嫌う。「買うのだ。」

【昨日あった出来事。】
Encounterに出勤していて、スタッフ私一人と二人のお客さんがいる。
 
そこに、スーツをきた50代〜60代くらいのおじさんが来た。
 
おじさん:
あの〜、私、演歌の歌手をやっておりまして、よければ一曲歌わせてもらっても良いでしょうか?レコード会社に所属していて、カラオケなどでも曲は配信されているんですが、このご時世あまり売れてなくて、こうして回っています。」
 
最初なんか変な営業かと思ったのだが、こんな歳でも好きなことして頑張ってるんだなと思い、
 
谷合:
お客さん二人しかいないんですけど、それでもよければ・・
 
おじさん:
全然大丈夫です。ただお客さんに迷惑でなければ、どうでしょうか?
 
谷合:
聞いてみますね!(ええおじさんやんけ)
大丈夫みたいですよー
 
おじさん:
では、失礼します!
 
スーツケースにいれてあるカセット的なもので音楽をかける。
演歌が流れる。
 
おじさん:
みなさんのようなお若い方は知らないかもしれませんが、作曲はあの〜さん、作詞は〜さんが手がけられました。
私には勿体無いくらいの名曲でございます。
歌手になって30年。歌謡界のオリンピックである紅白歌合戦出場を目指しております。
しかし厳しい昨今の音楽業界でございまして・・・
(伴奏の時のナレーション?結構喋る・・・)
 
谷合:
(この歳で自分で歌いながら回ってるってすごいな〜)
 
 
(フルで)唄い終わる。拍手。
 
 
おじさん:
ありがとうございました!こうして歌わせていただいて光栄です。
 
谷合:
いや〜、よかったです〜
(空気的には凍ってたけど、ここで歌う度胸に関心。)
 
おじさん:
最後によろしければ、CDの方を買っていただけないでしょうか?
 
お客さん:
(ごめんなさい的な相槌)
 
おじさん:
1,500円なので、お一人500円ほどで買えますのでどうか!
 
お客さん:
(苦笑い)
 
谷合:
ごめんなさい、買うの難しいみたいです!でもよかったですよ〜、よければお酒何かいっぱい飲みますか?次もあるので、難しいですかね?(喉乾いてるだろうからお水出そうかな)
 
おじさん:
一人350円でも大丈夫です!買ってもらえませんか?
 
谷合:
ごめんなさい、難しいみたいです〜
 
おじさん:
みなさんで一枚で良いので!
 
谷合:
あ、すいません。無理やりな勧誘はちょっと。
 
おじさん:
そうゆう事は最初から言っておいてください。
 
谷合:
いや、一曲歌うだけという話だったので、それは大丈夫という意味なのですが、、、お水でも飲みますか?
 
おじさん:
(無言で片付けて風のように出て行く)
 
谷合:
え〜〜〜〜〜!ウソーーーー!!
 
 
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という出来事がありまして、やる事が溜まっている中思い出したら書かずには入られませんでした。
 
この出来事の中で言いたい事は、
「おじさん、そのやり方だと逆に自分の評価下げちゃうよーーー!!せっかく苦労して足運んでいるのに勿体無い!!」
という事。
 
おそらくおじさん的には事務所の人に、
「とにかく店でもなんでも回って売ってこい」
的なことを言われているんだろうけど、これってすごく商売の方法を間違っていると思う。
 
・お店を回って歌ってくる
のは良いと思うけど、それと同時に「売る」ことを強制してはいけない。
 
お客さんは「売られる」ことを嫌う。
お客さんは「買う」のである。
 
そうじゃなくて、まずは母数を作ることが大切だと思う。
 
今の時代みんなSNSをやっていて、だいたい一人当たり発信力として、300人前後はリーチできる。
だから例えば1万人にリーチしたい時には、34人に発信してもらえば良い。
 
で、34人にどうしたら発信してもらえるのかを考える方が重要だ。発信してくれなければ何も意味がない。
 
発信してくれるためには、とにかく"発信しやすい"設計が必要だ。
 
例えば、
・自分の名前のハッシュタグをつけた看板or名刺を用意する
・歌っている動画を撮影しやすいような位置どりをする
 
というのは基本として、演歌というニッチなジャンルなので、きっと歌だけでは届かない。
 
そこで、"キャラクターをつける"。
話術でも良いし、特徴的な格好をするのでも良い、あるいは占いができますとか、一緒にお酒飲めますなどでもなんでも良い。とにかく「○○な演歌歌手」あるいは「演歌歌手なのに○○」と言ってもらえるようにする。
 
きっと、真剣に歌手になりたいと思っているので、そんな事はやりたくないと思うかもしれない。
けれど、真剣に歌手としてやるからこそ、まずは発信するパッケージ作りをして、認知してもらう。
そこから、歌を聞いてもらう。
 
で、発信してもらっ先で何度か意識的にも無意識的にも認知すると、「その人知ってる!」となって買いたくなる。
 
だから、「認知してもらうこと」と、「売ること」を一緒にやってはいけない。
 
お客さんは「売られる」のではなく、「買う」のだから。
 
 
ということをあのおじさん(あるいはそのおじさんの事務所の人)に伝えたい!!